ノラ

死の標的のノラのレビュー・感想・評価

死の標的(1990年製作の映画)
3.8
 今作ではセガールが、黒魔術を駆使するジャマイカ人のギャングと戦うことになります。本作はとりわけホラー演出が強調されていて、劇中では黒魔術のおどろおどろしい儀式が描かれたりするのですが、その黒魔術の恐怖演出よりも、冒頭でダニー・トレホを鬼の形相で追いかけてるセガールのほうが何倍も怖かったりするので、せっかくのホラー演出がセガールの個性に食われてしまってる感じがしました。

 セガールが対立することになるギャングたちは、セガールの近親者をもターゲットにするという狡猾な連中で、中盤ではセガールの妹がギャングの一味に襲撃されて生贄にされそうになるのですが、その場面にセガールがギリギリ駆け付けてきたことで、逆にギャングたちがセガールの生贄にされてしまうという有り様で、やっぱりセガールのほうが圧倒的に怖いというシーンが続きます。

 敵ギャングの方も負けじと、愛車のジャガーに乗るセガールに対してパワーショベルとトラックで前後から挟んで車体を押しつぶすという反撃に出ます。しかし、この頃のセガールは体格が細身だったおかげで、ヘコんだ車体の狭い隙間からどうにか這い出て車から脱出することに成功するのですが、もしセガールが今現在の体格だったらと思うとなかなかヒヤヒヤさせられる場面です。

 とにかくこの頃のセガールはキビキビと動いてくれて、猛ダッシュで犯人を追い詰めたり、多人数相手に果敢に戦ってくれたりしてて、非常に見応えのあるアクションの連続で、最後の敵を殺害したあとのセガールの不謹慎ギャグもなかなか決まっていて、最後の最後まで楽しめた作品でした。
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