なすび

ペパーミント・キャンディーのなすびのレビュー・感想・評価

5.0
イチャンドンの映画を見ているとき、途中で見るのをやめたくなる時がある、話は淡々としているし見ていてつらい描写もある。それなのに最後まで見終わるといつの間にか心がじわじわと締め付けられていて、どっしりと余韻が残って、またこの監督の映画を見なきゃという気持ちになる。

イチャンドンの作るラストがすきだ。ラストの主人公の表情はとても幸せそうで、涙を流している。観客は主人公の悲しい末路を知っているから、20年前のこの時が幸せであったとしても後の不幸を思ってかなしくなる、それと同時に例えばこの20年前の過去のシーンは主人公が死ぬ前に思い出した美しい思い出だとしたら、最後の主人公の表情は20年前の自分と今の自分が一瞬重なった瞬間に生まれたものだと考えることもできる。主人公は死ぬ直前、悲しいことや辛いことがありどん底まで落ち込んだ人生だったが、たったひとときだけでも人生の美しい瞬間を思い出して最後に微笑むことが出来たのはとても幸せなことだと思う。

このラストを見ていると監督が「特に20代の人にこの映画を見てほしい」という気持ちがよく分かる気がする。これから生きる上で辛いことや悲しいことやどん底にまで落ちることもあるかもしれない、そんな時ペパーミントキャンディを舐めて人生をもう一度じっくり振り返ってみようと思う。これを20代のうちに見れてよかった。

ソルギョングはすごい、顔は日本のお笑い芸人みたいな感じなのに。
ムンソリも、エグい…ムンソリってどこかカティオウティネンぽいんだよなぁ…薄幸純情娘て感じ…

はぁ…またイチャンドン見てしまうんだよなぁ
なすび

なすび