ペパーミント・キャンディーの作品情報・感想・評価

ペパーミント・キャンディー1999年製作の映画)

박하사탕/PEPPERMINT CANDY

製作国:

上映時間:130分

ジャンル:

3.9

「ペパーミント・キャンディー」に投稿された感想・評価

553

553の感想・評価

3.8
同窓会に1人スーツ姿で現れ「戻りたい!」と大声で叫ぶ狂った男。男の人生がどのように狂っていったのか時系列で振り返る話し。

主演の人の序盤の狂演、凄いので戸惑う。
主人公ヨンホの情緒に取り残され気味で、はじめのうちは少し焦った。
織田裕二か劇団ひとりに見えた瞬間が幾度か…。そんなこともありつつ、途中からは無事列車に乗れた。



緑の使い方がかなり印象的だった。
キャンディーの詰まった瓶の、結ばれたリボン。病室での上着。二つのコップ。線路脇、川辺に茂る木々。安らぎをもたらす色。エバーグリーン。



「これが人生、時代」と言って終わらせるにはあまりにも悲痛。同じく「人生は美しい」と言いたいが、言えない。
工場で一日千個も作っていると、はにかんだスニムが話すペパーミント・キャンディー。その甘さ、瑣末さ、香り、すべてが切ない。



シネマ・ジャック&ベティにて鑑賞。
yoko45

yoko45の感想・評価

4.7
 さえない男がフラフラと、踊り、訳の分からない歌を、そして戻りたい帰りたいと叫ぶ、はじめは???で始まりますが…油断しました、これは気を抜かず心して観ていないと…昔に進む線路と風景、主人公演じるソルギョングの最後の表情に…
 多くの方が感じるように理解し難い部分もあり共感してはいけないと思います。過去に進んでも男の選択と行いは悪いものばかり。しかし…彼の力ではどうしようもできない事が起こります。油断して観ていた自身を反省しました。彼が自らを罰するように生き、しまいにはペパーミントキャンディーの味も忘れていった全てが繋がるのです。
 人生は自身の経験とそれをどう解釈するか自らの責任、でも抗えない凄絶なものを体験したとしたら…監督の感性とソルギョングの演技に感謝
 そばにいる人、そばにある花を美しいと感じた昔の自分、戻りたい帰りたい、昔に進みたい、そんな昔ある場所がきっと誰にもあるはず。でもね、どんなことが起きても人のせいにしてはいけないと思います。
(でもね、悪い状況、人に遭遇する時の対応は難しい…)
 
なつ

なつの感想・評価

4.0
ずーーーっと観たかったやつを映画館で観られる幸せよ。

ソル・ギョングとムン・ソリなー。ソル・ギョングも素晴らしいけれど、ムン・ソリ、「オアシス」に通じる純白。毎日一個一個真っ白なキャンディを千個包むムン・ソリ。戻りたいけれど、そりゃ戻れない。神様残酷。
去年の今頃、『タクシー運転手』観たのです。

お話自体は朝ドラ『カーネーション』、勘助のエピソードを思い出しました。
ふかい

ふかいの感想・評価

4.3
ノスタルジアに浸るわけでもなく、絶望を描き続けるわけでもない。イチャンドンの「若さへの羨望」は、もう戻れないことへの諦念と、過去にすがる自分へのメタ的嘲笑という両面的、二律背反的視点で以て描かれる。
時系列をイジってるとことか、家族という制度の脆弱性とか(本映画だと一要素だけど)は、「葛城事件」を連想したりもしたけど、決定的に違うのはどこか冷笑的なスタンスだなあと。悲惨な場面でもどこかユーモアがあったり、どれほど悲劇的展開でもラストに救いがあったり…後期作品にも通底している、実にイチャンドン的といえる人生観がふんだんに味わえた作品だった。
uyuyu

uyuyuの感想・評価

3.5
ソルギョングの演技すごい。
オアシスのあの主人公と同一人物と思えない。
G

Gの感想・評価

4.3
初めて見たイチャンドン作品がバーニングなのでこんな頃もあったんだ〜〜と新鮮な気持ちになった。これ撮った時点で45歳なので既にどっしりした面構えの映画にはなってるけどはっきりうまいなーと思わせるような描写があるあたり、今のイチャンドンとの違いを感じた。新聞の読み方とかカメラの使い方…
前振りはちゃんと回収されるけど、センチメンタルになりすぎない部分が良かった。
この映画自体のテーマが最後の「この風景前にも見た…」というセリフで説明されてるのも初期作品らしさがある。違う顔をした同じ人たちが目の前を通り過ぎていく人生。
RyotaI

RyotaIの感想・評価

4.4
1999年の春から始まり、1979年の秋へと現在から過去へと時間を遡って、キム・ヨンホという男が、1999年の現在へと至った経緯が語られる。どうしてキム・ヨンホは無気力になり、線路へ登ってしまったのか。どうしてあの狂乱に至ったのか。

まだ全てを見ることはできていないのだが、イ・チャンドンは「神への不信感」が描かれているように思う。今作もそうだ。冒頭において、ヨンホは橋に登り「戻りたい」と叫ぶ。もちろん、ピクニックに来た旧友に向けたものではない。神に向かってなのだ。イ・チャンドンの作品において、神は不公平で、残酷な沈黙を守るばかりである。今作においても、神は残酷な沈黙を守る。その沈黙が語られる。

章終わりには、車窓からの逆再生が映される。巻き戻しであると同時に、前に進んでいるように見える。だが周りを見て、あぁ、過去に進んでいるのかと認識する。まさに、過去へと巻き戻すと同時に、過去へと進んでいるのだ。
よく行く映画館でイ・チャンドン特集が組まれていたので観にきた。
以前、オアシスを観て、 他作品も観てみたいと思っていたので嬉しい。

今日私は午前中「名探偵ピカチュウ」を観ましてね…レイトショーでペパーミントキャンディーを観たんですけど…まあ、すごい感情ジェットコースターを味わいました(当たり前だけど!)

ラストのピクニックで「この風景前にも見たような気がする」とポツリというのが良かったな。その後の高架下での笑顔がまた切な…。
線路の分岐はいつだって変えられるって思いたい…
ゆき

ゆきの感想・評価

3.8
あの日に帰りたい

時代に左右された1人の男の20年間をたどる。

後悔を糧に今を生きるか、後悔を餌に先を狂わせるか。
誰もが一度は分岐点で決断する。その集積が今であり未来。
重ねた時間の捉え方が違うとこんなにも出せる表情に差が生まれるのか。
健康な身体と心を過去に置いてきた
目を離せない映像の圧迫感が鑑賞後も残る一作。
美しいと言える人生を。
>|