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ペパーミント・キャンディーのレクのレビュー・感想・評価

4.5
主人公キム・ヨンホは如何にして人生を壊されたのか?
時系列は現在から20年の歳月を遡っていっていく回顧録にも関わらず、見方を変えれば一人の男が愛を取り戻していく人生譚にも映る。
線路を人生に準え、韓国の歴史を辿りながら見せられる人生の終着駅からの巻き戻しはまるで走馬灯のように美しく、ペパーミントのように甘くない。

鑑賞直後よりも、時間が経過するごとに深みを増す作品だ。
人生は選択の連続であり、過去に戻りたいと願うもの。
過ぎ去った時間が美化されればそれは輝かしい思い出となり、過ぎ去った時間に未練があればそれは後悔となる。
辛い今を受け入れられなくとも、それでも"人生は美しい"と言えるのか?
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