ヤスヤス

麦秋のヤスヤスのレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
4.3
「紀子三部作」の二作目。「晩春」で初老の父親を演じた笠智衆が若返り、原節子の兄を演じている。笠智衆より若い菅井一郎が父親で、「東京物語」で夫婦を演じた東山千栄子が母親という配役に驚く。(菅井一郎の老けメイクに若干コント臭が…)
「晩春」では、父娘の関係に焦点を絞っていたが、本作は家族が増え、さらに多角的に家族を描いている上、戦争が人々の心に残した影響を感じさせる部分も多く、より「東京物語」に近づいているように思えた。
会話や行動は、現在の常識とは乖離しているが、時代を超越した「家族」の普遍性が描かれており、今後も色褪せそうにない。
当時の日本の風景、今では失われてしまった人々の所作や日常を見られるのも楽しみのひとつ。
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