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麦秋のtoroのネタバレレビュー・内容・結末

麦秋(1951年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

縁と月日は末を待てっていう話。

先に「東京物語」「晩春」を鑑賞していたので、笠智衆が兄役になっているのには違和感しかなかった。

それでもやっぱり紀子の何を考えてるかわからない怖さと、現状に満足出来ずもっともっと少しでも良い物をと欲しがる人間の業を描きつつ爽やかに終わる結末、あとは時々出てくる現代の感覚からするととんでもない台詞とやりとりが本当に面白い。



高子:結婚してみなきゃ、人間のほんとの幸福なんてものはわかンないのよ!未婚者にはとやかく言う権利なし!
アヤ:おっしゃいますわね、ニンジン女史。
高子:未婚者には権利なし!
アヤ:幸福なんて何さ!単なる楽しい予想じゃないの!競馬にいく前の晩みたいなもんよ。明日はこれとこれ買って、大穴が出たら何買おうなんてひとりでワクワクしてるようなもんよ。
高子:違う!権利なァし!


佐竹:だれかに惚れたことないのかい?
アヤ:さァ、ないでしょ、あの人。学校時分ヘップバーン好きで、ブロマイドこんなに集めてたけど…。
佐竹:なんだい、ヘップバーンて。
アヤ:アメリカの女優よ。
佐竹:じゃ女じゃないか。
アヤ:そうよ。
佐竹:変態か?
アヤ:まさか!
佐竹:いやァ、そんなとこだよ。おかしな奴だよ。
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