このレビューはネタバレを含みます
W不倫をしてしまう男女の話。
家庭に居場所のない男と女が不倫をする話で、人間の隠れた欲望や本性を露にする辺りは、トッド・フィールド監督らしさを感じさせました。
『リトル・チルドレン』というタイトルは、幼児性愛者の事を指してると見せかけて、自らの欲望をコントロール出来ない…子供の様な登場人物達の事を指しているのでしょう。
不倫する男女だけでなく、犯罪者を過剰に監視する元警官、ポルノサイトにのめり込む夫、浮気の調査を母親に頼む妻…。
どいつもこいつも、幼稚と言えば、幼稚な人間ばかり。
でも、こうした幼稚さは、誰しもが抱えて生きているのかもしれません。
劇中に登場する幼児性愛者の男の存在は、確かに怖いし不安にもなる。
でも、だからと言って、町中にポスターを貼って、家に落書きをする事が正義なのでしょうか?
個人的には、むしろそんな事をする人間の方に恐怖を感じてしまいます。
結果的に、この正義は暴走し新たなる悲劇を生むわけですが、大事なのは否定する事ではなく、むしろ受け入れる事なのかもしれない。
その上で、より良いを解決策を模索するのが、本当の意味で大人と言えるのかなと。
本作の登場人物は、誰しもが愚かで過ちを犯すけど、問題はこれからどうするのか…過去は変えられないが、未来は変える事が出来るのです。