フラワーメイノラカ

意志の勝利のフラワーメイノラカのレビュー・感想・評価

意志の勝利(1935年製作の映画)
3.3
人類の負の一面を見つめる時、彼らを悪として、愚者として一方的に裁く傾向が強い。その態度では結局、永遠に距離は詰められない。人々を圧迫し、形を変えた負債はいつか自分自身に降りかかってくるかもしれないのに。
その圧迫にナチズムと同様の性質がないと言い切れるのか?彼らは彼らの正義を信じていた。正義とは陶酔だ。陶酔しているだけでは、現実が私たちに語りかけることは終ぞない。
陶酔とは倫理観に左右されるものではない。そういう意味でヒトラーは国際的犯罪者であると同時に、上等のハスラーだった。
『意志の勝利』というタイトルにはそこはかとない恐怖を感じる。他人事じゃない、自分自身に近づけて感じなければ、過ちの本質を見逃してしまうと思う今日この頃。