ドラミネーター

銀河鉄道の夜のドラミネーターのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)
3.0
キャラクターの表情がそれほど豊かでないにも関わらず、いや、豊かでないからこそ、"何を思っているのか"を探るように、受け取らなければならないと感じ、どうも前のめりに観てしまう。
クレヨンで何度も重ね塗りしたような重厚な質感の〈絵〉と、心踊るファンタジーとひんやりとした恐怖を感じるストレンジの境界線を縫うような〈音楽〉、そして人間温かみを吹き込んだ声優たちの〈声〉
この3つの要素が替えられない柱となって本作を支え、また世界を形づくっている。

原作を読んでいなければ、ジョバンニの心の機微を捉えるのは少し難しいかもしれないが、その余白こそが本作の吸い込まれるような魅力にもなっているのであろう。