sk1982

めがねのsk1982のレビュー・感想・評価

めがね(2007年製作の映画)
3.8
最新作の公開に合わせて、自宅で一人荻上直子監督上映会。公開当時はたしかシネスイッチ銀座で鑑賞した記憶。

携帯の電波も入らない離島の空港に降り立つ主人公タエコ。宿泊先の島の民宿では、毎朝謎の老婆に枕元に立って起こされ、海岸で行われる謎の体操に誘われる。挙げ句に謎の老婆や島民と同席での朝御飯を薦められ…と、合わないことばかり。耐えかねて、島の別の民宿をめざすのだが…。

前作が、よくも悪くも癒しの映画のレッテルをはられ、しかも今作はより抽象的な表現が多いせいで、監督は自分の首を自分でしめている感が否めないが、癒しは副次的なもので、やはり据えられたテーマは異物の受容→変化とその先、であるように感じた。
最初はみんな頑なで。でも、ふと思いたったのなら受け入れてみると、それで広がる世界もある。癒し、という言葉は俗世の垢にまみれすぎてもはやそぐわないが、見終わると呼吸をするのが楽になる、そんな映画。
sk1982

sk1982