すず

めがねのすずのネタバレレビュー・内容・結末

めがね(2007年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

もう数えきれない程何度も観ている大好きな映画です。代名詞かもめ食堂より、めがねがずっと好き。レビューを書いたことがなかったので、自分が何故この映画が好きなんだろう、と考えながら書いてみることに。

総じて、忙しなく時間に追われ、多くのものに囲まれ、そして多くのことを求めて生きる私たちに、「それって本当に必要?それを持っていればあなたは幸せ?」と問うてくれる映画。

たえこさんの大きなスーツケースが象徴しているのは、私達が気付かないうちに持っているたくさんの荷物。ハマダでは、初っ端から置き去りにされ、さくらさんの自転車に乗るには重すぎると諦め。それは、本当に必要なものではなかったと気づく。さくらさんの氷屋さんにも、メニューは一つだけ。一つあれば十分。

こうでなくてはいけない、とキッチリした生き方を好むたえこさんは、沢山のルールに縛られて、でもそれにもう気付けなくなっている私たち。めがねをかけて、くっきりとした世界を見なければいけないと思っている。

たえこさんは島での生活のうち、段々と心が解けていく。めがねが無くてもいいと思えるのは、白か黒かでなく、あいまいなぼんやりした世界でいいんだと、たえこさんが大らかに受け止めたから。

この映画を見る度、私を幸せにするものについて考えずにはいられない。

さくらさんの氷屋さんで、私がお代にできることはなんだろう。一つ、得意なことや好きなことを、それをみんなで持ち寄って。焦らず、比べず、持ちすぎず。
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