大恩ある店の危機を救おうとする女芸人といういかにもな人情話を、さりげないテクニックと子供たちとのやりとりでいつものユーモアと自然さに満ちた清水宏ワールドに仕上げてしまうマジックを堪能できる派手さはないけど味わいのある佳作。
でも終盤のとんでもない展開に衝撃を受けざるをえなかった、普通の人情ドラマならあり得ないストーリーをさらりとやってのけ違和感なく進行させてしまう監督の演出は凄いけれど。そこからの結末もびっくり。
清水宏監督の故郷である静岡県の風景(川は天竜川か?)を捉えた美しい映像も見所。
河村黎吉の頑固親父も最高。