Maoryu002

八月の鯨のMaoryu002のレビュー・感想・評価

八月の鯨(1987年製作の映画)
4.1
ある8月、サラ(リリアン・ギッシュ)は目の不自由な姉リビー(ベティ・デイヴィス)の世話をしながら別荘で過ごしていた。そこには2人の幼馴染、修理工、老紳士が訪ねてくるが、気難しいリビーは彼らを拒絶し、サラは困り果てるが、リビーは妹を必要としていた。

公開当時は何が面白いんだか全く分からなかったけど、年のせいか今になって観ると、ずーっと観ていたくなる不思議な映画。
特に殺し合いや騙し合いの映画の後には、彼女たちの退屈な日常が一服の清涼感を与えてくれる。

20世紀前半に活躍した大女優リリアン・ギッシュのせせこましくも温かい演技が素晴らしい。彼女が髪を整える場面が良かったなー。
そして、強気な声が特徴のベティ・デイヴィス。かつては悪女を演じまくったけど、偏屈演技は健在だった。
淡々としているけど、良質な舞台劇のような満足感は彼女たちあってのものだろう。

年を取ることより、大事な人を次々に失っていく切なさが伝わって来た。逆に年をとっても豊かに生きる姿に希望をもらえる。
“諦めちゃいけない、人生はまだ続くんだ” と言っているように思えた温かいラストシーンが素晴らしい!
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