ペジオ

わらの犬のペジオのレビュー・感想・評価

わらの犬(1971年製作の映画)
4.7
嫌よ嫌よも好きのうち

ずっと観たい観たいと思っていたところ、ちょうどNETFLIXで配信されていたので鑑賞(観終わってから知ったのだが、現時点での最高画質で本作を観られるのがNETFLIXでの配信だったらしい。しかも配信停止当日に観ていた。危ない危ない。)
大体の概要は知っていたつもりだったが、奥さんがレイプされた事に対する復讐の話だと勝手に思っていた(新井英樹の「宮本から君へ」の後半みたいな。そういえば新井さんは三大欲求の他に人間には「暴力欲」があると言っていた。)
だから驚いた…と共にこっちの方が胸糞の悪さは数段上だなと

最初は嫌がっていた奥さんが次第に男の「雄」としての部分を「雌」として受け入れ求めてしまう…とか、旦那から見れば「悪夢」以外の何物でもない(本当この辺りはイイ感じに凹める。)
後半の逆襲までの過程が、そのレイプに直接の因果関係が無いのも凄い(旦那は最後まで知らなかった訳だ。察してはいたかもしれないが。)
この作品のフォロワーが観客に安易に与えてきた「カタルシス」という飴
ラストシーンの虚しさ含め、そう簡単には飴をくれないペキンパー節が一周回って心地よい

スーザン・ジョージの被虐性溢れる表情が良い(言うまでもなく脱ぎっぷりも良い。)
ダスティン・ホフマンが眼鏡を補強する映画は個人的にハズレ無し(他は「パピヨン」しか知らんけど。)
確認できていないが絶望的な状況で暴力を行使する二人は「笑っている」様に見えた
暴力にどれだけ嫌悪感を示そうとも、それ無しでは人は生きていけないし、その「魅力」には抗えないのかもしれない
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