mitakosama

APPLESEED アップルシードのmitakosamaのレビュー・感想・評価

APPLESEED アップルシード(2004年製作の映画)
3.3
役者の動きをトレースするモーションキャプターと、3DCGをセルアニメ風に変換するトゥーンレンダリング(セルシェーディング)とを掛け合わせたという3Dライブアニメ。
この手法に前例がなかった訳では無いと思うが(スペースジャムのアニメパートなど)、ここまで本格的に一つの作品に集中的に使用した例は無かったかも知れない。
コロンブスの卵な発想で作られた映像センスは、当時は確かに斬新だと捉えられた。

プロデュースはCG畑出身の曽利。それにシロマサの映画化として荒牧が監督に起用された。

ただやっぱり荒牧はメカデザイナーとしては優秀だが、演出家としてはそこまで評価しないなぁ。ストーリーテラーではないんだよね。
アクションの為の演出は上手いが、視聴者に物語を追わせる為の演出が希薄だと思う。だって、この映画に物語の印象って無いでしょ?

第五次大戦後の終戦を知らず、小野田さんのごとくゲリラ活動をしていたデュナン。大都市オリュンポスに保護され、ヒトミとかつての恋人ブリアレオスに会う。
デュナンはESWAT隊員になるが、クローン人間(バイオロイド)と人間との軋轢に巻き込まれ…とかいう話。

うーん。単純にキャラに感情移入し辛いのが辛い。というか思いの外ウエットでそれがシロマサっぽく無いのが抵抗あるのかも。
また、肝心のESWAT隊としての活躍が無いのもコレジャナイ感に拍車をかける。

売りであった3Dライブアニメが後に続かなかったのも惜しい。
なんで、シロマサばっかりを映像化するのかも理解不能。
アクション主体のファンタジーなんかいくらでもあるじゃん。
例えば、バイオレンスジャックとか、この手法で作るのに向いている素材だと思うんだけどなぁ。技術的には面白いし可能性もあったのだから、色んな作品作りをチャレンジして欲しかった。
mitakosama

mitakosama