最初から最後まで、渡辺歩監督による丁寧な演出や暗喩がわかりやすく積み重ねられていて、ほっこりした気持ちになれる。
原作から変更されている箇所も結構あるが、尺の都合やらなにやら仕方がないでしょう。テンポも凄まじい早さ。
しかし、それでもこれだけしっかり感動させられるのは、やはり原作の強さを実感できます。屈指の感動回を2つも合わせているのですから。
本日、大山のぶ代さんの訃報が発表されました。
ショックでした。
特に今年は小原さんの訃報もあり、のぶ代さんも追うように旅立ってしまわれました。
今年は藤本先生生誕90周年という節目の年でもあり、様々なキャンペーンやイベントなどが展開されていました。
奇しくも、のぶ代さんも90歳で天寿を全うされました。藤本先生と同じ歳だったんですね。
のぶ代さん砂川さんご夫婦には、お子さんはいらっしゃいませんでした。
しかし、のぶ代さんが演じるドラえもんには、今のドラえもんにはない、更に言えば原作のドラえもんにもない、のぶ代さんの「母性」のようなものを感じるのです。
過去にひみつ道具博物館のレビューにも書きましたが、友達感の強いわさドラに対し、のぶドラは乳母的な存在感があります。
そんなのぶドラを観て、私は育ちました。
ドラえもんのおかげで大きくなりました。
私は…いや、私たち世界中のドラえもんファンは、紛れもなく貴方の子供たちなのです。
今まで、ありがとうございました。
「なんでもかんでも、全部全部ぜーんぶ、一人でちゃんとやる!やれるからさ…だからさ、ドラえもん。安心して、未来へ帰って!」
劇中の、のび太の台詞をお別れの言葉として、ここに記します。
天国で、最愛の砂川さんや藤本先生とともに、どうか安らかにお休みください。
心よりご冥福をお祈りします。