えあ

赤ひげのえあのレビュー・感想・評価

赤ひげ(1965年製作の映画)
4.3
モノクロの黒澤映画を観るのは20年ぶりぐらいで、一見とっつきにくそうですが台詞も聞き取りやすく、本作もとてもわかりやすいお話でした。

貧しい人々のために小石川養生所で医療にあたる赤ひげ医師(三船敏郎)と、そこに無理やり送り込まれた新人医師(加山雄三)の話ですが、両者の貫禄と若々しさの対比がとても新鮮でした。加山雄三イケメンすぎる。

「医術などと言っても情けないものだ。医者にはその症状と経過は分かるし、生命力の強い個体には多少の助力をすることが出来る。だが、それだけのことだ。」

「現在、我々にできることは貧困と無知に対する戦いだ。それによって医術の不足を補うほかはない。」

いま聞いてもはっとさせられる、ブラックジャックの本間先生にも通ずる名言が各所に散りばめられています。様々なエピソードで映画全体を形づくっていますが、個人的には遊郭で酷い育てられ方をした子供(おとよ)の話が好きです。おとよの看病に集中しすぎて高熱に倒れてしまった加山雄三を、逆にお前が看病しなさい、それがお前の治療にもなると赤ひげ先生に言われ、人に尽くすことで萎縮した心が少しずつ回復していきます。

以上、3時間超えの大作もインターミッション(寝落ち)を経て最後まで鑑賞できました!
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