RIO

赤ひげのRIOのレビュー・感想・評価

赤ひげ(1965年製作の映画)
4.6
病気には人間の影が潜んでいる

長崎で和蘭陀医学を学んだ保本登
医師見習いとして小石川養生所にやってきた
貧乏養生所の赤ひげこと新出去定

殿様の食事に助言する赤ひげは50両を請求
文句があるなら、言って来いって 
けんかも強い!

それから自分で倒した相手を見て
「ん~ これはひどい!こんな乱暴はよくない
 医者ともあろう者がこんなことをしてはいけない」

言い方がまた、いいんですね

佐八とおなかの話で割れるような
風鈴が鳴り響くのが強烈で印象的
かなり好きです

保本は赤ひげに反発心を抱きながらも
診療所の凄まじい命のやり取りを
見ていくうちに心が変わり赤ひげに従っていく

「日本映画の危機が叫ばれているが
それを救うものは
映画を創る人々の情熱と誠実以外にはない」
と言った黒澤明監督は
スタッフ全員の力をギリギリまで絞り出して
映画の可能性をギリギリまで追って
そして完成までに2年をかけた

黒澤映画における最後の白黒映画
三船敏郎出演作品となっている

三船敏郎は誰よりも早く現場に来て
なんでも自分でやってしまうという人で有名ですが

「銀幕塾」の塾長の明石渉が
三船プロに初めて行った時のこと
入口で赤いセーターで雪かきしてたおじさんが
三船敏郎だった
それに台本の台詞は相手のも全部
覚えていたそうです
自分と演技をする相手の気持ちを察するため

赤ひげには三船敏郎がぴったりです
RIO

RIO