かすてら

近松物語のかすてらのネタバレレビュー・内容・結末

近松物語(1954年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

不義密通の汚名を着せられた男女の逃避行の話。
先日観た「雨月物語」が予想以上に面白くて、期待値が上がりすぎてしまっていたためか、今作は少々物足りなさがあった。序盤は少し退屈に感じたが、茂兵衛の告白から物語の様相がガラッと変化するため、後半は楽しく観られた。
ロングショットの画が美しい。琵琶湖のシーンも幽玄的で良いけれども、個人的には茂兵衛の父親の家で夜が明けた後に役人が来るシーンに感銘を受けた。死を連想させるような光の差し方が良い。
以前観た溝口作品「雨月物語」「祇園囃子」と同様、理不尽な現実に対抗する女性を描いている。普遍的なストーリーは今でも古びていない。
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