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トイ・ストーリーのtubure400のレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)
4.3
多分リアルタイムで見て、その後一回観たかどうかだったから、下手すると10年以上ぶりだったのかもしれない。かすかな記憶をたどりながら見たけれど、新鮮に楽しめた。

久しぶりに見るとアンディとかが、すごくヌルヌルしたCGで、『ソウルフル・ワールド』とかに比べると、やっぱり古びたものを感じる。これが当時の最先端か〜と思うと、まぁそりゃ25年前だもんな、という感じがする。のわりに、ウッディやバズ・ライトイヤーは違和感ないというか、すごくいきいきしている。

当時はそんなことを思わなかったけれど、久しぶりに見るとバズ・ライトイヤーが自分がおもちゃであると確信する瞬間に悲哀を感じた。宇宙的な任務についている責任あるバズ・ライトイヤーでなくて、自分がメイド・イン・台湾の子供の慰み物であるということ。飛べはしないということ。アイデンティティの崩壊。逆『トゥルーマン・ショー』というか、それまで自分が生きてきた世界が「作り物」だと知って、本物の世界へと踏み出すきっかけを得るトゥルーマンと対称的に、自分そのものが「作り物」だと知って、これからは「作り物」として生きるしかないという事実に直面するバズ・ライトイヤー。でも、それはそれとして、打ち上げ花火にくくりつけられて空を飛びながら「飛んでいるんじゃない、カッコつけて落ちてるだけだ」とうそぶくということ。覚悟を決めて役割を演じるということが、大人になるということなのかもしれないと思った。
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