雨丘もびり

トイ・ストーリーの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)
5.0
【このおもちゃは飛びません】
笑えるアイデアと人生あるあるが、狂気のミクロみじん切りで混ぜ込んであって脳がパンクする!さらに字幕も吹替も張り合って独自のギャグを盛り込んで、こっちが笑う前にもう新しいギャグが叩き込まれる!今すぐ観て!観直して!脳も感性も一番若いうちに!
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FOR SALE
VIRTUAL REALLITY
じゃないわ!w。
シドん家のカーペットがオーバールックホテルだったの今まで気付かなかった~!何のために~ぃ!?www
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Ages 3 and up.It's on my box!
Ages 3 and up.I'm not supposed to be baby-sitting princess droll!
「対象年齢は3歳以上ってちゃ~んと箱に書いてあったろぉ!おれに赤んぼの相手をさせるなってば!もぉ」
監督の本音が垣間見える意味深な台詞w。怒ってる演技で子供を笑わせるのスゴいと思った!
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The word I'm saying searching for I can't say,
because there's preschool toys present.
「もっと似合いの言葉があるが、この映画こどもがたくさん観てるんでちょっと口にできないな!」
唐沢さんのハイテンションパニクり話芸、ほんとスバラシイよ!!色褪せない。もちろん所さんも。
アニメ吹替に俳優使うな問題って永遠の課題ですけど、Pixar作品を見る限り、監督の演出能力こそ問題じゃね?って思う。
ことさら本作『トイ・ストーリー』はけっこう英語も含みが多くて難しく、しかも早口。噛んで含めるように説明台詞を挟むんじゃなくって、大丈夫!ちゃんとわかる!ってフルスピードでまくしたてる。なのにちゃんと観客の脳内で笑いが育まれバクハツするから、とんでもなく楽しいのよね。
だって、「おもちゃが生きてるって人間にバレたら駄目」なルールが劇中でひとことも説明されないのに、緑の兵隊が人間に見つかりそうになるとヒヤッてするでしょ私たち。観客の読解力なめんなって話だよ。ほんで「じ、自分はもうダメです/馬鹿野郎!仲間だろ」ギャグと、その双眼鏡ぜったい見えませんギャグw。
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今回観なおして、なんか妙にバズの悲哀が沁みました。
落ちたのに、腕がもげたのに、死なない自分。
しかも腕の裏側、ネジがついてる面を見てしまって、絶望に至る無言の描写...泣くよこれ。
ただのプラスチックのかたまり、無価値っていうことを思い知らされる。
そんな自分に、抜き身の嫉妬と羨望をブチまけてくれるウッディに対して、友愛を感じて利他的に助けるっていうドラマがね、尊いよね。
首無しぬいぐるみとのおままごとに「マリーアントワネットたちとのお茶会よ~♪」って言うのエグいだろw子供がたくさん観てる映画だぞ!
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ウッディもさ。
サイコホラーの主人公ならうってつけな性格wなのに、やっぱりリーダーシップに長けてて、その場の仲間を信じたり、けっこう細々とグッドサイン出してたりして、いっしょにミッションクリアしたら無邪気に喜び合ったりする無自覚な才能が素晴らしいのよね。ほっとけないリーダーっていうか。他人の才能を自分に響かせすぎちゃうサリエリ・マインドと、自分はテッペンだぜっていう自惚れが綯交ぜになってて、なんて多層的で魅力的なキャラ!って見直すたびに思います。RCを蹴落とすのはテメェって思ったけどw。
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で。
ウッディとバズの、実は微妙にすれ違ったおもちゃ観=人生観がどんどん差を広げてゆく2~3も、ほんとに胸をうたれる素晴らしさなのですが、それはまた別の話。

So play nice.
(だから・仲良く・遊ぶんだゼ?)
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【日本語版スタッフ】
翻訳:いずみつかさ
訳詞:中川五郎
演出:松岡裕紀
音楽演出:深澤茂行