dieBananaSuki

ダーク・スターのdieBananaSukiのネタバレレビュー・内容・結末

ダーク・スター(1974年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

コメディSFで良いシーンが多く好きになった。全体的にとにかくマヌケなのが良かった。船が爆発する危機に際して、爆弾を存在論、現象論で説得する下りは最高だ。爆弾に自我を持たせてしまう不可思議さ、爆弾を説得するという謎シチュエーション、そして現象論で丸め込む強引さとラストシーンとしてふさわしい馬鹿馬鹿しさ。このほかにも、見るからに膨らました風船のような宇宙人、それも少し空気が抜けている感じを抱く安っぽさのものが、くすぐったり、少し知性的で狡い戦い方をしているのも良かった。
もう一つ述べておくこととして、異様に爽やかな終わり方がある。元サーファーの男が、船の爆発によって宇宙に放り出される絶望的な状況で、船の残骸で宇宙空間をサーフィンして惑星の大気圏で燃えるという、物語の中盤でサーフィンしたいと語っていた伏線がここで回収され、主人公の望みが思わぬ形で叶う。そのため謎の爽やかさでもって映画が終わる。
総じて、奇妙なギャグを繰り広げよくわからないが爽やかに終わった映画であると言えるだろう。