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銀河英雄伝説外伝/わが征くは星の大海のkanacoのレビュー・感想・評価

4.0
『銀河英雄伝説』の最重要キャラ〈銀河帝国〉”常勝の天才”ラインハルトと〈自由惑星同盟〉”不敗の魔術師”ヤンが初めてお互いを意識した〈2人の英雄の戦いの始まり〉を描くアニメ劇場版。有能な若者たちが才や人望で華麗に活躍する様が気持ち良き!クラシック音楽も壮大な雰囲気を盛り上げます😀✨(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
帝国暦486年(宇宙暦795年) 9月。艦隊を率いてイゼルローン要塞を目指していた銀河帝国軍の若き大将ラインハルトは「長年の戦争相手である自由惑星同盟軍の艦隊が要塞に接近しているため迎撃せよ」との指令を上官から受ける。しかしその指令はラインハルトを「姉が皇帝の寵姫であるため出世しただけ」の評価に値しない軍人であると見下し、彼とその艦隊や部下たちを捨て駒とするために下した命であった。ラインハルトと彼の右腕であるキルヒアイスは、交戦の場となった惑星レグニツァの大気圏の環境を利用し相手の戦艦を混乱させ敵味方共に出し抜いていく。一方、自由惑星同盟軍の艦隊に副官として同乗していたヤン・ウェンリー准将は、唯一ラインハルトの奇策を察知し上官に進言するが、傲慢で自分の考えに固執した上官は聞き入れず…。

❶『銀河英雄伝説』の〈2人の英雄の戦いの始まり〉を描いた導入の劇場版

2018年版のアニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章』を見たら1988版のアニメも見たくなってしまったので引き続いて鑑賞!あっちもイイけど、こっちもイイ!!

『銀河英雄伝説』は田中芳樹によるSF小説です。舞台は遠い未来。人類が地球から他の惑星に政治中枢を移動し銀河連邦が設立。後に銀河連邦首相ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが銀河帝国の初代皇帝を称し〈銀河帝国〉が誕生。銀河帝国が王政かつ貴族の特権階級によって歴史を刻んでいく中、帝国の支配圏外に脱出した共産主義者たちが〈自由惑星同盟〉を誕生させます。

この〈銀河帝国〉と〈自由惑星同盟〉の2大勢力は150年以上の宇宙で戦争を続けていましたが、それぞれの陣営で若く天才的な軍人英雄が現れます。その英雄…〈銀河帝国〉”常勝の天才”の異名を持つラインハルト・フォン・ローエングラムと〈自由惑星同盟〉”不敗の魔術師”の異名を持つヤン・ウェンリーの2人をメインに、戦争や政治思想、社会思想、歴史を揺るがす事件、重要人物たちのエピソードを群像劇や歴史学者の観点にて後述で記していくという歴史・戦争小説の形とるシリーズです。

本作はOVAシリーズに先駆けて製作された劇場版とのこと。「惑星レグニツァ上空の戦い」と「第4次ティアマト会戦」を描きます。この2つの対戦では双方の陣営の中心人物(実質の主人公)であるラインハルトとヤンがまだ英雄の卵な時期で、直接対決はしないまでも結果的に相まみえることとなり、初めてお互いに相手の存在を強く意識するという〈2人の英雄の戦いの始まり〉を描いた、そんな熱いエピソードです。

❷有能な若者たちが圧倒的な軍才や人望にて華麗に活躍する様が気持ち良き~!

銀河帝国側の主人公、ラインハルト・フォン・ローエングラム。銀河帝国は王政であり貴族が強い権力を握っている陣営です。皇帝に奪われた親愛なる姉を奪還するため、親友かつ右腕である同い年のジークフリート・キルヒアイスと共に王朝の打倒を誓い、まずは銀河帝国で地位・権力を上り詰めていきます。門閥貴族の驕りと横暴によって腐敗した王政を打ち砕き、さらに銀河を統一して全てを手に入れることを志します。金髪が輝く美青年で「戦争の天才」「常勝の英雄」と呼ばれるほどの戦略・戦術の才を持ち、加えて政治センスも併せ持つ英雄。本作では大将なのにまだ19歳。イケメン😍

一方の自由惑星同盟側の主人公、ヤン・ウェンリー。自由惑星同盟は共和主義かつ民主主義であり政治家たちが権力を握っている陣営です。ヤンは歴史研究家を志し軍人になることに興味が薄く、民主主義に期待を寄せており権力や戦争に嫌悪感を抱く人柄です。一方でラインハルトに匹敵するほどの戦略・戦術の才を持ち、心理学にも長けた人物。自陣の腐敗した政治の渦中に巻き込まれていきながらも、その才と人柄にて結果的には戦争に出て多くの仲間や民間人の命を救い「魔術師ヤン」「奇蹟のヤン」などと呼ばれていきます。本作では准将で29歳。イケメン😍

本作ではラインハルトもヤンも自陣営から不遇な評価や対応を押し付けられていた頃。そんな中で自分を陥れようとしてくる、または傲慢に振る舞い正しい意見を聞き入れない自軍の上官からの〈妨害〉を、有能Of有能な若き2人が圧倒的な軍才や人望にて華麗に完封していく様が気持ち良き~!攻める銀河帝国軍のラインハルト&キルヒアイスのコンビの戦略的意図や動きと、それをすぐに理解、察知する自由惑星同盟軍のヤンの動きも見ていて気持ち良き~!!

なお「惑星レグニツァ上空の戦い」と「第4次ティアマト会戦」は私の最押しであるウォルフガング・ミッターマイヤーとその相棒であるオスカー・フォン・ロイエンタール …通称〈帝国軍の双璧〉がラインハルトの配下として戦った最初の戦いなので2人もちょくちょく出てくる。ずっとニコイチで出てきて仲良くお喋りしていて可愛い~。ずっと仲良しでいて🥰(フラグ)

そして相も変わらずキルヒアイスがラインハルトの隣に存在していることへの精神的安定性がやばい🥰(フラグ)

36年前のアニメーションなので演出やキャラクターデザインはやはり“一昔前感”を感じてしまいます。でもそれはそれで渋さや大人っぽい感じが出ており重厚感が増しているように感じます。音楽はクラシックがメインで使用され〈スーペスオペラ〉としての雄大さがプラス。59分という短さで『銀河英雄伝説』という世界観とキャラクターにグッと引き込まれる作品でした👏😄

🐝「惜しさでいえばお馴染みのフレーズ「銀河の歴史が、また1ページ」がなかったこと(あれはアニメの予告で言われるセリフか…)。しょうがないから自分で唱えるか…。

٩( 'ω' )و銀河の歴史が、また1ページ٩( 'ω' )و」
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