通貨が時間となり、自分の時間を支払う世界。スラム街で暮らす主人公は、チンピラに絡まれる富裕層の男を救ったことで大量の時間を手にすることになるのだが・・・というお話。
ヒトが時間を管理しているつもりが、逆に時間に追われて生活する現代を風刺した面白いSF。・・・なんだけど、そもそも設定が著名SF作品のインスパイアで、ひとモメした曰く付きの作品。
良く出来たSF設定で、アクションシーンにもお金をかけているのに、ストーリーにアラが多すぎて結果的に期待外れの作品になってしまっている。
ご都合主義な展開はある程度あって仕方ないものだが、この映画はあまりにも多すぎる。特に理由はないけれどカジノで大勝ちしました、銃を突きつけられていたけど身を翻して走って逃げられました・・・といった展開が多い。
目を合わせただけでヒロインが主人公に惚れ、そのおかげですべてうまくいくのもアホくさい。
しかし、もっとも悲しいのは「時間が通貨となっている」設定がまったく生きてこない点。時間ではなくお金であっても何ら問題ない展開になってしまう。
アクション映画としてはそこそこ見られるのだが、上記のように解決方法が拍子抜けなものが多い。
主人公が結局何をしたかったのかはっきりしないのも感情移入しづらい。
最後に日本語吹き替え版に、あまりにもひどい棒読みの方がいる。当時はやりのタレント起用だったのだろうが悪目立ちしすぎ。