某動画にて鑑賞、日本語字幕が無いので日本語の自動翻訳を駆使して見ていたのだけれどやはり全部の翻訳は無理でニュアンスしか汲み取れずもしかしたらこの映画の本来の面白さを楽しめていないのではと感じられて敢えて点数は付けませんでした。

マカロニウェスタン末期になるとコメディタッチや一風変わった作品(『荒野のドラゴン』など)が多くなっており、本作もそうした製作状況を反映した喜劇タッチの作風になっているがコルブッチ監督はそれを逆手に取り『革命児サパタ』や『夕陽のギャングたち』などで取り上げられたメキシコの戦乱を何の武器も持たない平凡な男たちがコミカルに翻弄されることで戦争を馬鹿馬鹿しく描くことに成功している。

主人公はメキシコに仕事で来た神父と俳優で、口先三寸で革命軍と政府軍の間を行ったり来たりしているのが痛快。俳優を演じる役者さんは背が高く森繁久彌みたいに口が達者で、神父を演じる俳優は中肉中背でおっとりとしており見た目といい微妙に掛け合いといい漫才のようなコンビネーションを発揮しておりコメディのノリを更に加速させる。

そんな喜劇で戦争を嘲笑う作風がピークに達するのがラスト、偽物が本物のように革命を先導して市民が狂騒を巻き起こしてしっちゃかめっちゃかになる場面。でも暴力を使ってしまった俳優は喜劇の枠を外れており報いが訪れることを容赦なく描く監督の鋭い視点に痺れる、そこからの結末を敢えてぼかして喜劇としての体裁を取り繕うエンディングがクール。

コルブッチ作品は日本では結構評価が高いけれど、有名なスターも特に出ていない(強いて言えばガスマン)ため再公開は難しいかなと。でも音楽はモリコーネが担当しているのでモリコーネ特集で上映されることを期待します。

鑑賞日: 2016/02/27