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ビッグ・フィッシュのるのネタバレレビュー・内容・結末

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

お父さんの話は嘘じゃないんですよね。
実際と違えど、お父さんが感じたことに偽りはないという意味で。お父さんの記憶の上では巨人カールは時に家の屋根より大きく見える時もあったし、中国の双子はまるで一人の人間のようにぴったり佇み重なって見えたのでしょう。幼少期のあやふやな記憶の中にあった魔女の存在や、不確かであっても自分には見えた湖の裸の女性も、空想ではなくまじでお父さんの記憶ではそう見えたもの。
同じストーリーも、立場が違えば語り方は変わるので、詩人ノザーやサーカスの団長が当時を語ればまた違った脚色になる。最後のお葬式では、何度もおやじから聞かされた話を新鮮な角度で聞いて楽しむ息子ウィルの姿が想像できた。
そして今度はウィルが脚色したおじいちゃんの物語を、ウィルが感じたままに偽りなく息子に語り継ぐ。
とっても素敵な映画でした。
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