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ビッグ・フィッシュのILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.5
原題『Big Fish』 (2003)

監督 : ティム・バートン
脚本 : ジョン・オーガスト
撮影 : フィリップ・ルースロ
編集 : クリス・レベンゾン
音楽 : ダニー・エルフマン
出演 : ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ヘレナ・ボナム=カーター、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・デヴィート、他

ダニエル・ウォレスの小説『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』を原作とした、自分の人生をお伽話のように語る男と、彼の家族との絆をティム・バートンらしい独自のタッチで幻想的に綴ったファンタジードラマ映画。

「父と息子」映画。
そして、
「物語賛歌」映画。

それまで心のすれ違いを続けてきた父と息子が、幾多の人生経験を経てついに和解に至るまでを感動的にティム・バートンのイマジネーションが冴える多幸感に満ちたファンタジックな回想シーンとトーンを抑えた現実シーンとの対比が見事な珠玉の一作。

おそらくティム・バートン作品史上、最も優しく、心温まる作品で、個人的にティム・バートン作品ではダントツに好き。

ただのお気楽なホラ吹き人間ではなく「現実がままならないこそ、ホラを吹く」という切実な想いで生きていたと知り、父と息子の生きる世界が一つになる息子が語る「ホラ話」は号泣必至でしたし、画面いっぱいに黄色の水仙の花で埋め尽くされたシーンや、サーカスでエドワードがサンドラに出会った際に、「時が止まる」演出がホント秀逸でした。

あと、現実パートでの父と母が浴槽で服を着たまま抱き合うシーンも良かったなぁ。
良いシーンを挙げたらキリがないかも…

「父と息子」という普遍的テーマを、まさに「映画」の魔法がかけられた映像表現と万人の心に響く物語の「イイ映画」としか言えない、文句無しの珠玉の一本。

「話は語り継がれ、彼は永遠に生きるのだ。」
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