タクマ

劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲のタクマのレビュー・感想・評価

4.1
サトシ&ピカチュウのレジェンドコンビが引退と聞いて久しぶりに見たくなったので鑑賞。
初代ポケモンアニメが始まった当時は自分は小学生。言ってみたら日本中がポケモンブームに湧いていたあのど真ん中の時代にいた世代です。その影響もあってオッサンになった今もポケモン大好き人間なんですが公開当時にこの映画も劇場で家族と見てました。当時はミュウツーの復讐の動機を聞いても正直意味が理解出来ませんでしたしあの終盤の場面なんて思考が止まるは画面のピカチュウと一緒で涙が出るわでそりゃもう別の意味で凄かったですよ「笑」
でも大人になった今見返してみたら子供達が見る者だからこそ嘘もごまかしもしないシリアスで重いテーマ力に感服します。
自身が生まれてきた理由と存在意義。人間の一方的なエゴで誕生させられた生命であるミュウツーだからこそつきまとう葛藤と怒り。ミュウツーじゃなくても自分とは?って生きてたら多かれ少なかれぶつかる壁に感じるしその答えを見つけるのは厳しいがしいて言うなら確固たる答えなんかいらないのかも知れない。人間も別種類の生物も全て等しく命は同じ命である。そこで生まれそこでただ生きていくそれだけで良くて理由なんて求めなくて良い。みんな生きている生物である事に変わりはない。そこにありのままで生きている事が存在意義である。
自分達の存在意義をかけて争い傷つき合うコピーVSオリジナル達を余所に一方的に攻撃されるだけでけして反撃しないピカチュウの姿は命に優劣をつける愚かさを体現していたしポケモンだけど口が聞けるある意味ではポケモンという枠組みからでた存在であるニャースの台詞はミュウツーの苦しみに対する1つのアンサーを出すと共に作品全体に良いアクセントを加えてるのが深いですね。
生きてるだけで生命は素晴らしいっていうストレートなテーマを描くためにラストの展開はちょっと強引さも目立つが導きだすのが難しいテーマにきっちり答えを出したのは凄いですし命の平等さと尊厳を全人類に問いかける魂のメッセージにただただ感動します。
最初に書いた通りこれを公開当時に劇場で家族と見てたんやけど最後は家族の殆んどが泣く中で姉だけは泣いて無いって言い張ってたのが良い思い出。
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