無軌道な放浪生活を送っている女性(イヴ)が、若い男女グループが大切に扱っているサーフボードを、自分勝手に持ち出してしまう。1968年度「キャンディ」(クリスチャン・マルカン監督)を元ネタにしている、日活ロマンポルノ。
ノーパン喫茶勤務から一躍スターダムにのし上がったセクシー女優・イヴのロマンポルノデビュー作。彼女の健やかなヌードを拝むために製作された、純然たるプログラム・ピクチャーであり、太田あや子と木築沙絵子が脇を固めている。
主人公の正体を明かさずに、周囲の人間との絡みを坦々と描いていくスタイル。「思い出つくりに興味がない」「お金以外の大切なものが欲しい」など、主人公の心理を断片的に開示していく手法が面白い。
凡庸な部類に入る作品だが、本音と建前を身に染み込ませながら世渡りしていく、イヴの存在感に引き込まれる(もっとも濡れ場のアフレコは志水季里子が代役しているらしいが)。アイドル・ポルノ映画としてはこれで正解。