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国境の町のkossのレビュー・感想・評価

国境の町(1933年製作の映画)
3.8
機関銃とミシン、軍靴の山と死体の対比という象徴的なモンタージュがロシア映画の伝統を受け継ぐが、主題は善悪の二項対立を越える。第一次世界大戦からロシア革命へ、常に前線にある国境の町。激しい銃撃戦と塹壕から町に移ると、捕虜は解放され求職し、捕虜に親しみを持つ娘、捕虜を雇う者もいるが、娘を批判し雇用を糾弾する者もいる。敵と味方は徐々に不分明になり、戦争の終結には、白旗を挙げるロシア兵と見守るドイツ兵に歓喜する両軍兵士。善悪、敵味方が曖昧になる複眼的視点が、この映画の面白さだと思う。
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