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驟雨のodyssのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
3.0
【そこはかとない滑稽さ】

倦怠期を迎えた夫婦(佐野周二、原節子)のお話。
そこに新婚旅行に行って夫とケンカをして飛び出してきた姪(香川京子)や、隣に引っ越してきた夫婦が絡んできます。

大げさではないけれど、そこはかとない滑稽さが漂っている映画。
ただしそれを今日どう評価するかは別の話。
今からするともう少し切り込んで作ったほうが、という気もします。

あと、決定的なのはこの夫婦に子供がないことですね。
この時代、子供がなかったら養子という話も出そうですけど、出ないんですよね。
或いは産婦人科に行って相談するとか。
子供がいないから倦怠期にもなるわけで、子供が複数いたら忙しいから倦怠期になる暇もないでしょう。

そういう面で、この映画だけじゃないんですけど、成瀬の映画にはやや不備があると感じました。
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