靉靆

驟雨の靉靆のレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
3.5
夫婦の関係、合ってなさそうで合ってるのだろう。きっとどこも同じ。

原節子が何となく中心に据えているので同情をしがちであるが、夫も夫で色々とプライドだったり悩みだったりがあるのを感じ取れてくる。
女が男を立てる、そんな考えは古臭くなってきてるなんて本当は分かっている。だけど長男でありながら上京した以上、奥さんを働かせずに自分の稼ぎだけで生活することにこだわっているのだろう。それを奥さんに伝えることもできないので、チクチク言われたことを封建的な発言でピシャリと放ってしまう。当事者からしたらイライラしてしょうがないのだが、音楽と演出によってすこしクスッとしてしまう。上手い。

「生活する」ということを教えてくれる作品。
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