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七人の侍のJumblesoulのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
3.0
邦画の代表作、世紀の傑作と評判の黒澤明監督作品。でも個人的には中の上位の出来。よく出来た時代活劇ではあるけれど。
いわゆるヒーロー戦隊ものの時代劇版といった構成で、この手の作品はメンバーが一人ずつ加わってフルメンバーになるプロセスが重要。なので、休憩に入るまでの前半が実に面白い。ところが後半の戦闘編は、敵の野武士達が弱すぎてあまり盛り上がらない。野武士の頭領に有名俳優を配役せず、エキストラの集団みたいにした意図が分からない。
そして怪優の左卜全の出番がやたら多い。彼が出ていれば場が持つといったものではなく、ポイントで登場するのがベストだと思うけど。
クールな宮口精二に、優しさが滲む千秋実は好演。しかし道化役の菊千代は三船敏郎に似合わない気がする。
日本史上で最も殺伐とした時代にこんな正義感達がいるはずもなく、ファンタジーと割り切って楽しむ作品かもしれない。
今回久しぶりに観て何故か一番印象に残ったのは、男装する前の津島恵子が後ろ向きで髪を洗っている艶っぽいシーンだった。
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