涼

七人の侍の涼のネタバレレビュー・内容・結末

七人の侍(1954年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

百姓と侍の仲間集め拠点防衛合戦時代劇

70年前の映画がこんなに面白くていいのか?
泣けて笑えて熱くなる。娯楽作品として満点な上に、アイロニカルな批評性やメッセージ性まで兼ね備えている。後世の多くの娯楽作品の元ネタが見て取れる点も観ていて楽しい。
欠点は本当にただ一つだけ。長過ぎる。10人以上の主要人物を丁寧に描いているので仕方ないと言えばそうだが、それにしてもインターミッションまで挟まっているせいか余計に長く感じる。

作中何度も言及される百姓の生き汚なさ(それは武士のせいであるという注釈は為されている)が印象に残る。
野伏の襲撃という非日常イベントが終わればコミュニティにすんなり戻ってしまえる志乃の強かさと勝四郎の未練たらしさ、雨が上がり生き生きと田植え囃子を奏でる百姓達の逞しさと失った物の大きさから感傷に浸る勘兵衛ら侍の女々しさ。
二つの相似的な描写から百姓と侍の対比を明示的に描いているラストシーンは見事だった。

駅馬車観てて良かった!
涼