青野姦太郎

執念の蛇の青野姦太郎のレビュー・感想・評価

執念の蛇(1958年製作の映画)
3.2
50年代の大映は二番館や三番館から公開する一時間程度の娯楽性に富んだショート・ピクチャー、通称SPを量産しており、本作もそのうちの一本。悪女が玉の輿に乗るために仲間と協力して邪魔者を消しまくると死者が蛇となって復讐してくる化け蛇映画で、後半はほとんど『スネーク・フライト』。適当な移動撮影で誤魔化されてる箇所も多いが、後年『四谷怪談』で三隅が用いたテクニックが既に先取りされていたり、クライマックスではグラマー女優毛利郁子がなぜか全裸になって蛇に巻き付かれながら溺れ死ぬ水中撮影があったりと実は隠れた魅力も多い。
蛇足だが、本作で悪女を演じた毛利郁子はこの映画の製作から約10年後に、愛人を刺殺して刑務所に収監されたことでも知られている。他に彼女が出演した蛇映画として『白蛇小町』『青蛇風呂』などがある。