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執念の蛇のmitakosamaのレビュー・感想・評価

執念の蛇(1958年製作の映画)
3.0
デアゴスティーニ。毛利郁子の蛇シリーズ第二弾。今作は50分よ。よくこれだけコンパクトに纏めていると感心するわ。
前作よりさらに10分短くなったので話もわかりやすくなった。

両替商人の娘の婚姻に嫉妬する踊りの師匠・歌次の暗躍。娘を殺害し両替商の家に取り入ると、事情を知ってる人間も次々殺す。
だが、殺された娘が蛇と共に化けて出る。

踊りの師匠歌次に毛利郁子。エログラマァ。悪徳な汚れ役を文字通り身体を張って演じてます。
水に沈められて半裸で蛇にまみれる、ってかなりハードだよね。
それだけに悪役め鬼気迫るものがあります。

殺された娘・お千代が化けて出るのだが、怪談らしい恨み言を唱えたりしない。映画の尺が短いからか、化けてからのセリフも無く、霊としてキャラクターが希薄なんだ。
それがむしろ昔の怪談っぽさより、昨今のホラーの演出に近い気がする。土の中から無表情な顔を出して足を掴むシーンなんか呪怨の伽倻子みたい。

チャンバラで。美味しいところを持って行く二枚目は活躍するが、お千代の元旦那はヘッピリ腰で刀を振り回す。味方側にチャンバラの弱いキャラがいたのが新鮮だったな。

監督は座頭市の三隅研次。割と現代的な恐怖演出という印象だわ。
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