イギーポッポ

早春のイギーポッポのレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
3.2
世の中に格調ある不倫なぞ存在しませんが、不倫を扱うも格調高い映画ではあります。高度経済成長に向かおうとするガムシャラ日本のサラリーマンにとっちゃ、息抜き出来ない家庭に安らぎは見出だせない。一方、OLなる人種が増えてきて、新しい就労形態に新しい人種は刺激的?
不倫モノというより、戦後日本の現代に繋がる市民生活の「歪み」を掴み上げた最初期の作品?ネットやケータイどころか、家に電話もない時代なのが新鮮だけど、男と女はいつの時代もやるこた同じ~。
しかし岸恵子みたいな人に詰め寄られたら、そりゃまぁ、ねぇ…。

しかし、何とも表情に富んだモノクロ映像の陰影。「影を撮す」と書いて撮影。現代の映像作家から失われた宝がここにある。