ダイゴロウ

早春のダイゴロウのレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
3.9
切なくとも美しい家族を描く小津安二郎監督が描く「不倫劇」となると、俄然興味がそそられる。
相変わらず映画らしい劇的な展開があるわけではないが、人間ドラマとして十分に濃厚である。不倫が乗り越えるべき障害であるとは思えないが、夫婦の崩壊ではなく再生を描いている点においては、監督の人間を見つめる優しさのようなものが感じられる。

淡島千景と池部良が美女&美男過ぎる点も見応えの一つ。

あと、客観的にみる酔っ払いほど、情けない者もないと感じさせられたので、自分もあんまり酔って帰らないように注意したい。(加東大介の演技は流石。)