シグのすけ

早春のシグのすけのレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
3.6
初めて観たけど、もし20代に観てたら退屈だったろうな〜と思わせる。ところがいつもの小津的会話が飽きないので、全く長くは感じないのであった。

セリフもさる事ながら、皆さん姿勢正しく話すなあって思う。首カックンしたり片手で自分の頬を掴みながら話す人なんていやしない。まぁ今でもそんなのは、たけしぐらいだが。

今回は縁談話では無く、夫婦の危機と再生やサラリーマンの悲哀などが主題だったので、何か記録映画を観てるように、内容よりも当時の街並みだったり、話し方だったり、服装や時代の空気感みたいなものを面白がって観てた気がする。そして60年経っても悩みや価値観はそう変わらないという結論。

やはり映画はあくまでもセリフであって、滑舌の悪い人はほとんど出てこないし、当時の現実の様子とは違うだろう。そして駅のホーム仲間の親睦会やヒッチハイク、蛍の光の2回目も、映画的ほんわか設定で、現実の姿ではないと信じたい。だって気持ち悪いもの。すまん昔の人。

それにしても今回も、丸の内の大企業の男達は何の仕事をやってるのか?この前【お茶漬けの味】は塗り絵かと思ったけど、今回は一応字を書いていたようだ。多分日記か、書き順の練習だと思う。
シグのすけ

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