ダイセロス森本

ウィズネイルと僕のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)
4.5
トレインスポッティングをさらにおじさんにし、ちょっとシャーロックホームズ要素も加え、最高にクールなお顔をお持ちのふたりを揃え、そこにゲイ要素たっぷりのぽちゃオジを用意します。それを暗いロンドンと誰もいない田舎にセッティング。あとは片目だけ光る車を用意したら出来上がり。
みたいな感じの映画。とてもとてもツボ。とてもとても好き。

ドラッグ・アルコール中毒の男の人って映画のなかじゃかっこよく描かれるんですわ。これがリアルにいたらドン引きですけども。
しっかりしていそうでしっかりしていないウィズネイルにしっかり寄りかかられちゃってる…&Iくん。この生活も6年目、そろそろ飽き飽きしてきたら色々問題が起こってしまった!
ふたりとも役者志望の落ちこぼれってところで、色々頑張ってはいるんだよ!としっかりアピールしてくるところが最高に落ちこぼれで好き。

なぜ急に田舎へ行こうってなるのか謎なんですが、鳥を殺すところから始めなければいけない田舎に来てしまったのであたふたする2人が可愛い。
相変わらず酒だけはしっかり飲む。

最後のウィズネイルの暗唱がなんとも言えない寂しさと喜びと、これからの暗い未来を暗示しているようで、ずしーんと重くくる半面、すかっとする。ここから始まる未来。
車から「売女!」とか、「お先真っ暗だぞ!飛び出せ!」とか言っちゃうウィズネイルが一番真っ暗な未来を恐れていたのかな。