まいこ

ゴールデンボーイのまいこのレビュー・感想・評価

ゴールデンボーイ(1998年製作の映画)
3.5
『ショーシャンクの空に』『スタンド・バイ・ミー』の原作ともなったスティーヴン・キングの『恐怖の四季』から『転落の夏』を映画化した作品。元ドイツ将校と青年との立場の変化に緊張し、心の闇の浸食に恐怖する。

ロサンゼルス郊外の住宅地に住むトッド・ボウデンは、スポーツ万能で成績優秀な高校生だったが、ある日、元ナチスの将校である老人クルト・ドゥサンダーと出会う。吸血鬼という異名を持つ戦争犯罪人ドゥサンダーはその消息が不明とされていたが、名を変え自分たちの町でひっそりと暮らしていたのだ。

おじと出木杉君の真夏の秘め事。各登場人物の立場があまりみない組み合わせ。原作とはかなり物語が異なる。元から悪人だったのが本作だと徐々にPTSDを発症したようにみえて、背景を考慮するのが難しい。また、おそらくブラインアン・シンガーのセクシャリティや出身からくる作風もどことなく感じられるため、原作ファンから観たら違和感を感じるかもしれない。とはいえ全てまとめて鑑賞後はイアン・マッケランの舞台を観たかのような満足度に包まれること間違いなし。

SSの制服に身を包んだイアン・マッケランの鬼気迫る行進の場面は脳裏から離れない。ブラッド・レンフロ、既にお亡くなりになられてるの惜しいな。

『ショーシャンクの空に』のアンディーからコンサルされるドゥサンダーの姿が小説で描かれるが想像するだけでも面白い。
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