ヴぇる

マディソン郡の橋のヴぇるのレビュー・感想・評価

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)
3.6
言わずと知れた恋愛映画であり、制作費を日本の収入だけででも補える程商業的にビックヒットをかました作品だ。

当時イーストウッド65歳、メリル・ストリープ46歳だ。当初は何故この年齢のキャスティングを?と疑問に思ったが、子供達が遺言を受け取ってからの話し合いを見るになるほどと、納得した。
私には子供達の話し合いの方が身近で感情移入して見れた。確かに親のSEXや不倫等考えたくはない。しかし親もまた人間なのだ。この視点は面白い。

恋仲の2人の会話は流れるようで相性が伺えるが男がクレバーであるために、女がスマートでありたい欲望とマッチしない。だからこそ会話で問題が起きた時キッチリ解決する所がみたかった。

ただ、最後の40分の別れを決意した後の展開は心が引き裂かれる様な哀しみとセンチメンタルな思いで心が泣けてしまう程だった。極上の音楽と2人の愛が結ばれなかった結末は全てが納得出来るからこそ悲しいまでに心を打つ。ここまで美しい悲恋はなかなか無いだろう。素晴らしい完成度だ。
雨のシーンでの2人の演技は映画史に残る最高の別れのシーンだろう。

総評としては、全体的に見ればなかなか最高傑作とは言い難いが、チャプター毎に見れば傑作の域に達している。
前半のロマンスの時間帯が少し冗長的な感もあった。しかし最後の畳み掛けは素晴らしい。クリント・イーストウッドは本当に天才だ。
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