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桐島、部活やめるってよのkwrのネタバレレビュー・内容・結末

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もうこのタイトルをつけられる時点で、作者の才能は明らか。とにかく、この映画は桐島が部活をやめるんだけどそれに周りが翻弄される作品です。
演出方法が多少斬新で、最初金曜日、というテロップがなんども出て同じシーンが繰り返されるんだけれども、それが違った登場人物の視点になっていて、あっちでこんなことが起きている裏でこっちではこんなことが起きていました、というのが並行的に進んで行く。
このエピソードの積み重ねが実にうまい。自分は男子校だったので共学の空気はフィクションでしか触れたことがないのですがそれでもああ、こういうのあるよな、こういうスクールカースト、と思いながら見ていました。
それにしても、たった三日の話をこれだけ広げて、青春群像劇を描いた作者はすごいと思う。これってエンタメというよりもむしろ純文学なんじゃないかと思うくらい。
ってここまでストーリーの話ばかりで映画の話を全くしていないですね。
映画は皆若手の割に演技がうまく、違和感なく見ることができました。あとこれにも浅香航大出てた。『悪の教典』『マッサン』んで『脳漿炸裂ガール』と遭遇率が高いな、期待の若手なんでしょうか。
前述の通り「金曜日」の繰り返しが原作通りなのか映画で加えた演出なのかは原作を読んでないのでわかりませんが良かったと思います。

原作も読んでみようと思いました。カットされてるエピソードとかあるのかな。とりあえず、原作つきの映画ってどこかしら脚本に瑕疵があることが多いけど、これは全く違和感なく観れたので、そこは脚本家の力量なんだろうなと思います。

良い映画でした。
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