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桐島、部活やめるってよのsilvaのネタバレレビュー・内容・結末

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

基本邦画嫌い。
意味のないシーン、テンポの悪さ、基本的にじっとりとした暗さ、結局何が言いたいわけ?で終わることの多さ。

友達から貸してもらったDVDだったのでとりあえず見てみたら、
お、おお…
基本的にじっとりとした暗さは有るものの、難しいセリフも決めゼリフもそんなに多いわけでは無いんだけど、全てに無駄のないこと!


よくある青春映画なら、良いこと言って、笑って、ひたむきに。
そんなんじゃないんだよ、高校生の時ってみんなこうだったよねと言うリアル感。
みんなからどう見られるかだけを考えて過ごした学生生活。
誰かの目を気にしたり、気まずかったり。
腹立つ同級生の言葉にも何とも思ってないふりをしたり。

東出の見る窓の外の風景を吹部の部長がただ一緒に眺めるシーン。

ただ見て欲しくて屋上で楽器を吹く部長も。

部活に一生懸命打ち込むことを馬鹿にする子。それを笑ってかわす子。

バレー部のエースの彼氏が部活を止めることを一言も相談されなかった綺麗で人気者の彼女の山本美月。
プライドぶち壊されたんでしょうね。
人気者の彼女である人気者の私。
「え?桐島から聞いてないの?」
と周りから言われる度に、
彼女なのに相談受けるほど信頼もされてないんだこの人。
と言われている様な気がする。


野球部の三年のキャプテン、ださいけど一生懸命に部活に打ち込む。
なんでそんなに情熱を持っているんだろう。それでもその一生懸命さに何もない自分の空っぽさを感じる帰宅部の東出。

キラキラしてる。見た目はね、でも本当のリア充って何?
を問いかける作品。

ラストの神木くんとの東出の会話。

神木くんは部活で映画を撮っても将来は映画監督にはなれないことをしっている。
なぜ?それなのに無駄なことをしているのか。
今好きなものに一生懸命打ち込む、それだけ。
そんな神木くんの姿がカッコ良く見えた東出、そうはなれない自分に、何もない自分、やりたい事の何も無い空っぽの自分。

そんな気持ちも知らない神木くんは東出のキラキラしたルックス、キャラクターを、カメラ越しに本気で、
「やっぱりかっこいいね」
なんて褒める。
今の東出には皮肉な言葉で。
思わず涙を見せる東出。


今のSNSのインスタ映えなんかもそうなんじゃないかな。
写真だけ綺麗に撮って、本当に楽しんだか?
本当に楽しい時って本当は写真なんか二の次になるんじゃない?
まわりからリア充に見える人ほど、
知らない間に空っぽな自分に気付いて突然言い表せないかなしさを感じる。
若い子だけが出てる映画は中身が薄っぺらいと思ってる人にも是非見てほしい考えさせられる映画。
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