愛

少年は残酷な弓を射るの愛のレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
4.5
めちゃくちゃ重い話すぎてびっくりした。

序盤から何故?何故?って理由をずっと探してました。

お母さん目線での子育ては特別極端に常軌を逸したものでなかったし、同じ目線でケヴィンの言動が理解不能で恐ろしくてしょうがなかった。

育て辛さの苦悩からつい口をついた「あなたが来る前は幸せだった」等、他にも直接的に表現しなくても表情や目線や仕草等から漏れる苛立ちや葛藤もケヴィンは敏感に感じとり、それらの自分に向けられた負の感情が蓄積され満たされない愛情の歪んだ欲求を抱えてしまったように感じた。

母親は頭がよく完璧主義傾向な分余計に思った通りにならない子育てへの苦悩も大きくて、そうなると可愛いはずの子供を可愛いと思えず、劇中でも赤ちゃんの頃から小さなモンスターのように描写されていたのかなって思う。

鑑賞してる誰もが抱えるであろう疑問、母親からの切実な〝何故〟に対するケヴィンの言葉に切なくて身を切られる思いがした。

ラストは深い深い母としての愛と覚悟にめちゃくちゃ感動しました。

物語は好き嫌い別れると思うけど、ティルダ・スウィントンの怪演とエズラ・ミラーの残酷な眼差しには誰もが魅了される事間違いなし。
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