うにゃ

ピエロの赤い鼻のうにゃのネタバレレビュー・内容・結末

ピエロの赤い鼻(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

人間味溢れる映画。

最初は息子と父親の小さな確執をえがいていて、ホームドラマみたい。
昔話が始まってからは、コメディ。
主人公の親友二人組が可愛い。カフェの店員ルイーズにいい所をみせたいと、何とナチス軍の線路の切替え場所を爆破する。
しかし、そこには老人フェリックスがいて爆破に巻き込まれ傷を負ってしまう。
その夜、町中の男性が集められ、主人公2人と他2人の計4名捕まってしまう。
その中にブノワ・マジメルがいる!!

4人は泥々の深い穴に入れられ、犯人が名乗り出なければ明朝銃殺されることに。
大変な事態なのに4人の会話が面白い。
現在パートで主人公達が生きていることを知っているからというのもある。
主人公の1人教師のジャックが「自分が犯人だ!!」と告白するが、生徒だったブノワ・マジメルは、「そんな大それた事をできる人じゃない」と信じない。もう1人の保険屋もそんな度胸ないと全く信じない。
自白してるのに…と笑える。

そんな中4人を見下ろすドイツ兵が現れる。
そして、ピエロの動きで4人を笑わせる。
赤い鼻をつけ、ジャグリングなど披露しながら空腹の4人に食料を投げる。
皆有難く頂く。
「生きている限り希望がある」
というドイツ兵。
彼は「ゾゾという名で2年間ピエロをしていた。自分の名前はベルント。よろしく。」と挨拶をする。
その翌日も震える4人に暖まるようにお酒をこっそり差し入れるベルント。
しかしそこに4人を処刑しにきた上官と部下が現れる。「構え!」という上官にベルントは銃を構えるもすぐに落とす。
そして、赤い鼻をつける。
上官に頭を撃たれるベルント。流れる赤い血と赤い鼻。鼻を拾うジャック。
そこに電話がかかってくる。フェリックスが自分が犯人だと妻に伝えさせたと。
フェリックスは、逃げる主人公達を見ていた。そして、自分はもう助からないし4人を助けたいと妻に嘘をついてくれと頼んだのだ。拒む妻だが、最終的に夫の望み通りにした。銃殺されるフェリックス。

さっきまで笑ってたのにもう涙が次から次へと出て止まらない。
他から見たら情緒不安定だよ。

その後の主人公達と、フェリックスの妻との会話もとても人間らしくて泣ける。

昔話は終わり、会場に戻りピエロのゾゾとして皆を笑わせる父親を笑顔で見つめる息子。いい映画だった。
ベルントが切なすぎてどうしようかと思っていたら映像特典にメイキングがあった。明るい映像に救われた。
うにゃ

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