うにゃ

フレンチアルプスで起きたことのうにゃのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

雪崩の一件からずーっと気まずい状況が続く。
始め、何故妻は夫を責めないのかな〜と思っていたけれど、じんわりと妻の中で夫に対する気持ちが変化していく。

「子供、妻を置いて先に逃げる」という行動は、正直最悪だと思うが、人間、窮地に陥った時にどんな行動を取るのかその時にならないと分からない。

妻もちょっと怖い。
リフトでバーを下ろした際にぶつけてしまった男女に謝らない。
自由に生きる友人に対して自分の考え、価値観を強く訴える。その話題がホテルの広場みたいな所でするような会話じゃない…。
その後も、友人達との食事のシーンでいきなり「雪崩にあい、夫が先に逃げた」という話をぶち込んでくる。友人達は皆気まずい。

夫婦の大きな問題の一つは、夫が子供と妻を置いて先に逃げた事実を認めず、謝らないことにもあると思った。最低…と思っていたら、途中で夫が子供のように取り乱し、自分は最低だとか何とか言うが、「被害者は君だけじゃない、自分自身もだ」みたいな事を言うので、やっぱり自分が可愛い人なんだな、と思った。
「落ち着いて、子供が起きる」という妻の言葉を無視して、取り乱し続け、結局子供も巻き込み泣く。嘘泣きかも。
その前に一度嘘泣きしてたから。

その後、また家族でスキーをしに出かけるが妻が行方不明になり、夫が助けに行く。
夫にお姫様抱っこされた状態の妻は、「もう大丈夫」と言って普通に歩き出す。
夫を試したのかも。

最終日、帰宅手段はバス。とても細い道を行くが運転が荒い。乗客は悲鳴をあげる。
「運転が下手すぎる!危険だわ!降ろして!」と興奮気味の妻が言う。
運転手は、間違えてワイパーを動かす。
そして、やっとバスの扉が開くと妻は一目散に外へ出る。
……は?子供は?

その後、他の乗客と共に友人達も一緒に歩いて帰るが、妻が一緒に歩いていた娘を抱っこ出来ないかと友人の男性に頼む。
男性は、承諾し抱っこして歩き続ける。
そのすぐ前を歩くのは夫。何故夫に頼まなかったのか?
自分が子供を置いて先にバスを降りた事に気づいて、お願いしたくなかったのかも。

子供達は、まだ小さい。大きくなった時にこの過去を思い出すような事があればどう思うのだろうか。
恐ろしい映画だ。
うにゃ

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