せいけ

青春神話のせいけのレビュー・感想・評価

青春神話(1992年製作の映画)
4.0
台湾という街がただ画面に現れるだけで勝手にエモーショナルになる不思議
この時代に台湾の映画作家はそれをクールな撮影で捉えている
それだけで2時間弱引きつけられる
ストーリーらしいストーリーはなくモラトリアムをただ眺めているような話
それぞれ登場人物の交わり具合も程よく余韻がある
降り頻る雨、溢れ出る排水、流れる血、嘔吐(直接は映っていないが)何か言葉にできないが放出せざるを得ないものが画面に散りばめられている
橋口亮介や黒沢清など日本の90年代映画作家との共鳴もどことなく感じた