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青春神話のmikuのレビュー・感想・評価

青春神話(1992年製作の映画)
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排水口から下水が逆流して水浸しになる古い団地。必ず4階で止まるエレベーター。空っぽのラブホテル。ごみごみして湿気た台北の街(序盤のゲームセンターの外観なんていつか見た台北の街のイメージそのもの)を、ノーヘルで併走する疾走感で最高になっちゃう。チンピラ風情のアザーに憧れのような嫉みのような感情を抱きながら、いまひとつ交わらないシャオカンの人生。勝手に予備校を辞めても、テレクラに行っても居場所はなく、ちょっとだけドアを開けて待っていてくれる家があるのみ。ホテルのベッドの上で飛び跳ねる姿は虚無でしかない。毎日雨の降る台北を出て私も彼らもどこかに辿り着けるのだろうか。
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