2時間後のていら

わたしを離さないでの2時間後のていらのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
2.5
男女3人の青春恋愛劇だけど設定はガッツリSF。
淡く美しく静謐な語り口でありながら、描かれるのは恐ろしく非人道的な運命。
恋をして、嫉妬にかられ、涙を流し、音楽を聴いて好きな人を想う彼女たちには、明らかに心がある。
トミーの絶望の叫びは「生きたい」という渇望に満ちていた。
それなのに、その命に課せられた役割は人間としての扱いではない。
誰も逃げようとはしないのは、やはりそのように作られているからなのか…
もどかしく、ただただモヤモヤとした気持ちのまま終わるので、映画終了後、私までトミーのように叫びたくなった。
あーーーーーーーースッキリしねえええ!!!

やっぱり、どんなに人が長生きしたくたって、踏み越えてはいけない領域だよ。
役目を終えて死ぬことを指す「終了」という言葉があまりに無機質で悲しい。